平成27年度税制改正により、内国法人からの受取配当金の益金不算入制度が改正されております。
旧制度との比較においては、持株比率25%以上3分の1以下を保有する株式及び持株比率5%以下の株式について益金不算入額が圧縮されることとなっております。
旧制度 | |
持株比率 | 益金不算入額 |
100% | 全額 |
25%以上100%未満 | 受取配当額-負債利子控除額 |
25%未満 | (受取配当額-負債利子控除額)×50% |
平成27年度税制改正後 | |
持株比率 | 益金不算入額 |
100% | 全額 |
33.3%超100%未満 | 受取配当額-負債利子控除額 |
5%超33.3%以下 | 受取配当額×50% |
5%以下 | 受取配当額×20% |
なお、株式投資信託に関する収益分配金については全額が益金算入、ETFに関する収益分配金については20%益金不算入(5%未満保有の株式と同様)へと改正されております。
株式保有要件(平成27年度税制改正後) | |
持株比率 | 適用要件 |
完全子法人株式等 (100%) |
配当の計算期間における全期間を通じて保有 |
関連法人株式等 (33.3%超100%未満) |
配当の額の支払に係る基準日以前6カ月以上の保有 |
その他の株式等 (5%超33.3%以下) |
基準日において5%超 |
非支配目的株式等 (5%以下) |
基準日において5%以下 |
令和4年度税制改正において、完全子法人株式等に係る配当等の課税の特例が創設され、以下の要件を満たす、内国法人が支払を受ける配当については所得税の源泉徴収を行わないこととされました。
ー完全子法人株式等からの配当
ー発行済株式等の総数等に占める割合が3分の1超である内国法人からの配当
なお、上記の改正は令和5年10月1日以後に支払を受けるべき配当等より適用となります。
外国子会社からの配当等については内国法人に適用される受取配当等の益金不算入の規定は適用されません。但し、外国子会社から受ける配当等については、以下の算式に基づいた益金不算入制度が適用されます。
・当該剰余金の配当等の額-当該剰余金の配当等の額×5/100
(つまり、受取配当金の5%部分が益金算入されることとなります。)
なお、当該制度における外国子会社とは租税条約に別段の定めがある場合を除き、以下の要件を満たす外国法人をいいます。
・出資割合(議決件割合)が25/100以上
・配当等の額の支払義務が確定する日以前6ヵ月以上継続保有
前述の外国子会社から受ける配当等の益金不算入制度に関わらず、当該配当金を支払う外国子会社の本店所在地国の法令において、全額又は一部が外国子会社の所得の計算において損金計上されている場合には、配当の全額又は一部について日本親会社における所得の計算上は益金不算入の対象外とされます。