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M&A用語(株価算定、M&Aプロセス)

M&Aでは様々な略語が用いられますが、これらの略語の定義を理解することが円滑にM&Aを遂行するうえで不可欠といえます。以下では、主要な用語についての定義を記載しております。

 

(CA)

CA(Confidentiality Agreement)とは守秘義務契約を意味し、各種の情報開示に先立ち初期段階で締結される書面である。CAには、情報提供を受ける側が差入れる方式と双務的に契約を締結する合意形式のものと大きく2パターンが用いられている。NDA(Non Disclosure Agreement)と呼ばれることもある。

 

(Change of Control Clause)

チェンジオブコントロール条項を意味し、会社の支配権(Control)に移動(Change)が発生した場合に、契約相手方の同意が必要となる条項であり、ファイナンス契約やライセンス契約等の重要な契約において当該条項が含まれているケースが多い。資本拘束条項と呼ばれることもある。

 

(Carve out)

Carve out(カーブアウト)とは、事業譲渡や会社分割などにより自社の事業の一部を分離して切り出し、分離独立させる手法である。 

 

(D&A保険)

D&A(Directors & Officers Liability Insurance)とは会社役員賠償責任保険を意味し、取締役及び監査役の任務遂行に起因し、第三者からの損害賠償請求に備えるための保険である。

 

 (DD)

 

Due Diligence(デューデリジェンス、買収監査)とは、買収対象会社の財務内容やビジネス内容の調査をすることである。DDには、財務DD、税務DD、法務DD、ビジネスDD、環境DD、労務DD、ITDD等の各種調査があるが、実施するDDの種類及び範囲は取引の規模や業種等を勘案して決定されるが、少なくとも財務DD及び税務DDについては実施する必要があるものと考えられている。

 

(DDM法)

DDM法(Dividend Discount Model)とは配当割引モデル(配当還元法)を意味し、将来における配当予想額を一定の割引率(及び配当の成長率)を基に割引計算を行い株式価値を算定する手法である。

DCF法が事業価値や企業価値を基に株式価値を算定する手法であることに対し、DDM法では株式価値を直接算定する手法となる。

 

(Earnout clause)

Earnout clause(アーン・アウト条項)とは、SPAにおいて一定期間における利益達成目標等の条件を設定し、当該条件を達成した場合にのみ追加的な買収代金を売手に対して支払う旨の契約上の取決めである。買手にとっては、買収対象会社が利益目標を達成できない場合には買収代金を減らすことができることから、リスクを軽減する効果を得られる。

 

 (EBIT)

EBIT(Earnings before interest and taxes)とは利払前・税引前利益を意味し、以下の計算式で表現されることが多い指標である。

・営業利益+営業外収益のうち経常項目-営業外費用のうち経常項目(財務費用除く)

・経常利益+支払利息-受取利息

 

 

(EBITDA)

EBITDA(Earnings before interest, taxes, depreciation and amortization)とは利払前・税引前・償却前利益を意味し、以下の計算式で表現されることが多い指標である。

・営業利益+減価償却費(有形固定資産、無形固定資産)

・税引前当期純利益+支払利息+減価償却費(有形固定資産、無形固定資産)

 

減価償却額は採用する会計方針により影響を受けること、また、支払利息は各国の金利情勢や企業の資本構成に影響を受けることから、これらの影響を排除したうえで企業の収益力を測るためのひとつの指標である。

 

 (EBO)

EBO(Employee Buy Out)とは従業員がその会社の株式取得を通じて経営権を取得すること又は事業の一部をカーブアウトし事業を買収する手法のことである。 

 

 (EV)

EV(Enterprise Value)とは企業価値を意味し、企業が将来において事業より獲得する事業価値(BEV:Business Enterprise Value)に、非事業資産を加えた価値と定義される。資本の調達側からの視点では、負債価値と株式価値の合計と定義される。

 

EVを上記のEBITDAで除した倍率をEBITDAマルチプルと呼ばれ、企業価値や株式価値を算定するうえでの一つの重要な指標となることが多い。

 

(IM)

IM(Information Memorandum)とはインフォーメーション・メモランダムを意味し、主に競売案件において売手のアドバイザーから買手候補へ提供される情報であり、会社の沿革、事業概要、過去の財務諸表分析、将来の事業計画等について記載が行われることが多い。 

 

 (Keyman Clause) 

キーマン条項を意味し、M&Aにおける契約の中で、被買収会社の特定の役員を買収後においても一定の期間は会社に残り、継続して事業運営に携わることを確約するための条項である。特定の役員や従業員の個人的な資質に会社運営が大きく依存している場合や、他の同業社への就職等による競業を回避する目的で利用されることが多い。

 

 (LOI)

LOI(Letter of Intent)とは意向表明書を意味し、M&A案件においては買収検討を実施することを約する書面のことである。上記のCAと同時に締結するケースや主要な条件について大筋の合意に達した時点など交渉の節目において締結されるが、法的拘束力の有無を含めて案件毎により位置づけが異なるケースがある。

 

 (MBO)

MBO(Management Buyout)とは経営陣自らによる企業買収の手法である。MBOでは、経営陣が対象企業の資産や将来のキャッシュフローを担保として投資ファンド・金融機関等からの資金調達を行うことにより、自社の株式(若しくは事業部門)を買収することとなる。

 

 (MOU)

MOU(Memorandum of Understanding)とは基本合意書を意味し、買主が対象会社の初期的な分析を行った後に、DD(デューデリジェンス)開始前に売主との間で締結するM&Aの主要な取引条件を定めた書面である。なお、基本合意書にはその内容により、法的拘束力を有する合意書と法的拘束力を有しない合意書があるが、一般的には法的拘束力を有しない基本合意書を締結するケースが多い。

 

(Non‐name sheet) 

M&Aの買収対象企業の概要を、買収対象企業が特定されないように匿名にて取り纏めたシートをいう。M&AアドバイザーやM&A仲介業者が買手候補先へ打診を行う際に作成される。

 

 

(Non‐binding indicative offer) 

Non-biding indicative offerとは、IMに基づき算定した株式価値等の買主候補者からの意向表明書を指し、通常は法的拘束力が伴わない書面として作成される。

 

(NOPAT)

Net Operating Profit After Taxesとは、税引後営業利益を示し、企業の営業活動の結果として生み出された株主と債権者に帰属する付加価値を計算した指標であり、営業利益に(1ー実効税率)を乗じることで計算されることが多い。

 

(NOPLAT) 

Net Operating Profit Less Adjusted Taxesとは、みなし税引後営業利益を示し、企業の営業活動の結果として生み出された 株主と債権者に帰属する付加価値を計算した指標である。

 

(PIK)

 PIKとはPayment in Kindの略称であり、借入金の一種であるが返済期限までの期間において利息の支払いが繰り延べられ(元本に加算)、返済期限に一括して償還されるローンである。

 

(PPA)

 PPA(Purchase Price Allocation)とは、M&Aの際に被取得企業の有形固定資産及び無形固定資産を公正価に評価を行い、買収価額を資産負債へ配分を行う手続きである。

日本基準、米国基準及び国際会計基準のいずれの基準においても、取得者の連結財務諸表へ被買収先を取込む際には、資産負債を公正価値にて評価を行うことが求められております。 

 

(ROIC)

ROIC(Return on Invested Capital)とは、投下資本利益率を示す指標であり、以下の算式にて求められる。

 

ROIC = NOPAT(Net Operating Profit After Tax:税引後営業利益)÷ 投下資本

 

投下資本は、企業のバランスシートの借方として捉える場合には非事業用資産を除いた"運転資本+固定資産"として定義付けされ、貸方として捉える場合には"有利子負債+自己資本"として定義される。

 

一般的に、ROICの水準がWACCを上回ることで、企業に対する資金提供者が要求するリターンを上回っているものと解釈される。

 

(SPA)

SPA(Stock Purchase Agreement/Share Purchase Agreement)とは株式譲渡契約書を意味し、M&Aにおける売手及び買手間の全ての合意事項が記載される書面である。M&Aにおいては、株式譲渡価格のみならず様々な条件交渉が行われるが、それらを全て包含する書面である。法律事務所が作成を行うことが一般的であるが、会計事務所等による財務・税務デューデリジェンスの結果の一部なども反映される。

 

(Squeeze Out)

スクイーズアウト(Squeeze Out)とは大株主による少数株主の排除を意味し、MBO等において完全子会社化を行うケース等に、少数株主に対して金銭等を交付し閉め出しを行うことを指します。 

 

(Tag Along right, Drag Along right)

売却参加権(Tag Along right, Co-sale right)及び強制売却権(Drag Along right)を意味し、他の株主が株式を売却する際に自らも参加可能とする権利(Tag Along)及び自らが株式を売却する際に他の株主にも売却を強制することができる権利(Drag Along)である。

 

(Teaser) 

Teaserとは、潜在的な買主候補者に対して配布する、M&Aの当事者や対象会社名が特定できない程度に案件の概要を記載した書面を指します。ノンネームシート(Non-name sheet)と呼ばれることもあります。

 

  

 (Valuation)

バリュエーションとは、対象会社の株式価値や事業価値を評価することを意味し、M&Aにおいては純資産等の生態的な評価に加えて、将来収益(のれん)を加味した動態的な評価を行うことが一般的な手法となっている。

 

 

 (特別支配会社)

特別支配会社とは、ある株式会社の総株主の議決権の90%(または、定款で定めた場合には90%以上)以上を保有している場合の支配株主会社である。
一社のみで議決権の90%を占有していなくても、100%子会社を通じて合計で90%以上を保有している場合も含まれる。
特別支配会社の場合は、組織再編において株主総会決議が省略可能となるなどの規制緩和がある。

 

 

 

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